田舎者にはよくわかりません2 ~ぼんやり辺境伯令嬢は、断罪された公爵令息をお持ち帰りする~
バルゴアで平和な日々をおくるシンシアとテオドール。そんなふたりのもとに、王都から手紙が届く。差出人は、テオドールの父である、ベイリー公爵。ベイリー公爵は、シンシアとテオドールの婚約に反対している様子。国王陛下に直接婚約を認めてもらうため、王都へと向かうふたり。王都では、テオドールの弟・クルトと、元婚約者・アンジェリカも、テオドールに会いたがっていた。ふたりは無事、正式に婚約者となれるのか――?
「私でよければ、雷が鳴りやむまでお側にいましょうか?」
「ぜひ、お願いします!」
あっ、つい欲望が口から出てしまいました。
「あの、テオドール様って、本当に雷が怖いんですか?」
「今日だけは、そういうことにしておいてください」
「……本当にテオドールが、私の心配をしていたの?」
「そうだよ。アンジェリカも、兄さんに会いたい?」
「会いたいわ」
「シンシア様、お久しぶりです。今日もお美しいですね」
「!?」
「やぁ、兄さん」
「……クルト」