総評

　毎年恒例のツギクル小説大賞ですが、今回で第4回を迎えることができました。2019年6月20日から8月20日の応募期間中に508作品のエントリーがあり、ご参加いただきました皆様には心より感謝申し上げます。
　第3回に引き続き「オールジャンル」ということで幅広い作品を募集しましたが、エントリー作品のジャンルとしてはファンタジーが半分以上を占め、続いて恋愛、SFという順番となりました。特に女性向けの恋愛ものが増えており、書籍化を検討するようなレベルの高い作品が散見されました。

　ツギクル編集部の選考の結果、最終選考作品としてピックアップされたのは、『嘘塗れの利一』、『学校一の薄幸の美少女が、なぜか俺だけに心を許す！？』、『君のおっぱいを揉まなければ世界が滅びるとしたらどうする？』、『クラス召喚に巻き込まれた教師、外れスキル「修理」で機械少女を修理する』、『クラスで一番の美少女が俺と一緒に住むことになりました』、『「自由を奪った状態で倒すなんて、この卑怯者！」と追放された最強の暗殺者、人里離れた森で魔物狩りしてたら、なぜか村人たちの守り神になってた』、『司令官さま、絶賛失恋中の私を口説くのはやめてください！』、『世界の果ての君の手のひら』、『それはメカと異能と自衛隊 〜最後に愛は勝つのか〜』、『追放悪役令嬢の旦那様』、『夢幻の旅』、『人知れず、夜泣き。』、『魔王様、溺愛しすぎです！』、『女神から13個の神器を貰った俺は、チート【殺傷能力】【身体能力】【感知能力】を身に着けた。この力で世界中から悪を駆逐する』、『刃、相鳴らす 〜 The Knight Wizard 〜』、『勇者じゃないと言われて追放されたので、帰り方が見つかるまで異世界でスローライフすることにした』の16作品です。

　これらの最終選考作品の中から今回の受賞作は、大賞が『追放悪役令嬢の旦那様』、優秀賞が『司令官さま、絶賛失恋中の私を口説くのはやめてください！』、ファン投票賞が『「自由を奪った状態で倒すなんて、この卑怯者！」と追放された最強の暗殺者、人里離れた森で魔物狩りしてたら、なぜか村人たちの守り神になってた』、AI審査賞が『異世界英雄と22の召喚獣』（ファンタジーブレイン）、『君のおっぱいを揉まなければ世界が滅びるとしたらどうする？』（恋愛ブレイン）、『ハグレモノ・ダンジョンキット』（SFブレイン）、『チートカップルは異世界で教師をやります』（青春ブレイン）となりました。

　大賞の『追放悪役令嬢の旦那様』は、一般的な悪役令嬢ものとは異なる視点で物語が進むところが秀逸でした。読み進めるうちに設定が徐々に分かってくるストーリー展開には、読者を引き込む魅力があります。
　優秀賞の『司令官さま、絶賛失恋中の私を口説くのはやめてください！』は若者特有の恋愛観をうまく表現しており、昔を思い出して懐かしく感じる読者も多いはずです。
　ファン投票賞の『「自由を奪った状態で倒すなんて、この卑怯者！」と追放された最強の暗殺者、人里離れた森で魔物狩りしてたら、なぜか村人たちの守り神になってた』は、追放系ほのぼの辺境ものかと思いきや、シリアスな戦闘シーンなどがあり、いい意味で裏切られる作品と言えます。

　ツギクルではAI分析機能を提供していますが、現在、新たなブレインとしてSFブレインと青春ブレインを検証しています。今回のツギクル小説大賞では、従来のファンタジーブレインと恋愛ブレインに加え、先行してSFブレインと青春ブレインの4つのブレインを用いて受賞作を選考しました。AIによる総合判断の結果ですが、現在の人気作のトレンドに近いものほど高評価となるため、1つの指標として参考になるはずです。

　最後に、ツギクル小説大賞にご応募いただきました皆様、そしてご投票いただきました皆様、誠にありがとうございました。今回の選考結果は、ツギクル編集部が選定した現時点での基準によるものです。最終選考作品以外でも、今後の展開や改稿などによって光りだす原石が埋もれているかもしれません。今回の結果にかかわらず、今後も執筆活動を続けていただけることを願っております。

ツギクル編集部